息子は小3の夏、ブログ軽度の発達障害と診断されて②で書いたように、軽度の発達障害と診断されました。
診断の結果を一人で聞いて家に帰ると、息子が同じ学年のお友達数人と遊んでいました。
様子を見ていると、息子の遊び方が幼いことを、お友達が面白がっている様子でした。
前なら
「個性的だから他の子と遊び方が違うなぁ」
と気に留めませんでしたが、診断後は
「まわりの空気を読めないんだろう」
と私の感じ方が変わりました。
そして
「これからどうなるんだろう」
と不安になりました。
黒板に書かれたことをノートに書き写さない理由は
「やればできることを、面倒でやらない」
と思い込んでいました。
それが
黒板だけでなく手元のお手本をノートに書き写すことでさえ、他の子より労力が必要
と知ったことで、すべてを悪い方にばかり考えてしまいました。
「どうなるんだろう?」
漠然とした受け身の気持ちが、自分の不安をふくらまします。
しかし息子とのトレーニングを重ねていくうちに、その時間が親子の大切な時間と思えるようになります。
そして今では
「何をどうやって楽しく取り組もう?」
自分から考えて動く習慣がつくことで不安を減らしていきました。
「何をどうやって楽しく取り組もう?」
自分自身への声掛けとともに取り組んだ3年間を振り返ります。
【ビジョントレーニング】で眼球の動きを鍛える
ビジョントレーニングについて
小児科の先生が初診で息子の目の前に人差し指を立てて、
「この動きを顔を動かさないで目で追ってみて」
といい指を右へ左へ動かして息子の様子を見ていました。
最初は意味が分からなかったのですが、発達障害によく見られる特性として
顔を動かさず視線だけ動かすことが苦手なことがあります。
息子は、まさに視線を動かしたり焦点を合わせるといった眼球運動が苦手なタイプでした。
そこで診断後は、眼球運動を鍛えるビジョントレーニングにとりくみました。
発達の気になる子の 学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング | ナツメ社 (natsume.co.jp)を使い自宅では毎日、小学校の通級では週1回のペースでトレーニングをはじめました。
ビジョントレーニング(英: vision training)とは、眼球運動のコントロール能力、焦点合わせ機能、両目の協調機能、動体視力、立体視能力、奥行き認識能力等の視覚能力を向上させるトレーニング。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
概要
もともとアメリカ合衆国で空軍のパイロットの訓練用に開発されたトレーニング法だが、現在は軍事用にとどまらず民生用に転用され、いわゆるディスクレシア(識字障碍)の治療やスポーツ選手の能力開発のためのトレーニングなど様々に応用されている。
日本でも野球やサッカーなどスポーツ選手のトレーニングに取り入れられています。
↓ こちらでは、巨人軍で行われているトレーニングの様子を見ることができます。
生徒全員でトレーニングに取り組んでいる学校もあります。
↓こちらは、福井県越前市大虫(おおむし)小の記事になります。
また、コロナの影響で子どものゲーム時間増加とともに1点を見つめる時間が増えたり、外遊びの減少で眼球を動かす機会が減っています。
これから、ますますビジョントレーニングが大切になってきています。
ビジョントレーニングの効果
息子が苦痛に感じないペースで、家庭と通級でビジョントレーニングに取り組んでいます。
小2だった息子にとってビジョントレーニングは次の内容への対策です。
そして、3年後小6になった息子の現在の状況です。
年齢の発達もあるので、ビジョントレーニングの効果だけではないかもしれません。
しかし、ノートをとる必要がある中学に向けてビジョントレーニングを継続していく必要を感じています。
また、ビジョントレーニング以外にも似た効果がありそうな次の遊びを積極的に取り入れています。
・目と指先を使うレゴ遊び
・説明書を見ながらのプラモデル作り
・ボールの動きを目で追う卓球
ビジョントレーニングではありませんが、長い時間夢中になって目を動かすことは大事だと思っています。
【苦手な漢字】を書けるようにする
発達障害と漢字
発達障害で漢字が苦手になる原因は、字として見ることが難しく、図にしてしまうことがあるそうです。
息子も漢字を書くこと、覚えることがとても苦手です。
目と手を連動する作業が苦手な息子は、小1の時ひらがなでさえマスの中に書くだけで疲れていました。
加えて漢字を習うとなると、さらに大変な作業でした。
お手本を見ながら、書く場所を見る視線の移動が大変な上に、マスの中に書かなければいけないので難しい作業です。
そして、「トメ、ハネ」に気をつける。
「きれいに書こう」と言われる。
その上、漢字の形を認識して覚えることは高すぎるハードルでした。
診断前の小1の時、毎日宿題を嫌がっていました。
漢字を何回も繰り返し書く宿題は、今から思えば本人の能力では無理難題だったのでしょう。
息子の漢字学習法
小3で発達障害と診断されるまで、家庭での漢字学習はテストの間違い直しを一緒にする程度でした。
本人の嫌がり方がひどかったので、親子で避けていました。
書き順についても、トメハネについても、形についても、息子は一切話しを聞こうとしませんでした。
私自身が無理難題なことをしようとしていたのですから、当たり前です。
診断後は、息子に合う方法を模索しながら、勉強方法を次のように工夫していきました。
・学校で使うドリルを使って毎日少しずつ覚える
・書き順はアプリに任せて口出しをしない
・「きれいに書こう」と抽象的なアドバイスではなく、「具体的にここはこうしよう」と話す
・書けない字は時間を空けて、もう一度書く
・漢字の部品を「この形は●●に見えるね」と印象に残るように楽しく話す
詳しい内容は、ブログ【漢字の苦手な小学生】が力を伸ばす勉強法 4選+α ~ おすすめアプリや教材 ~をご覧ください。
小5で息子に合う漢字勉強法にたどりつき日々続けるようになってからは、親子喧嘩も減りました。
また、漢字のテストも以前までは再テストで最後まで残っているメンバーでしたが、最近は一回で合格できるようになりました。
【食べず嫌い】を減らす
ほぼ納豆と白米で育った息子
発達障害で偏食がある場合、ひどく偏ることがあるそうです。
原因はひとりひとり違うため、子どもの様子を見て工夫するしかないそうです。
偏食がひどい息子は、納豆と白米、納豆に混ぜたネギ、ラーメン、うどん、一部のフルーツしか食べることができませんでした。
好きな物しか用意していないのでは?と思われるかもしれませんが、決して欲しいものしか用意しなかったわけではありません。
いくら空腹な時にそれ以外の食事を用意しても、ハンガーストライキのように一切口にしようとしませんでした。
小3のある日「はじめて食べるものを美味しいって言いながら食べたい」と泣きながら訴えてきました。
そこで、認知行動療法の心理士の先生にカウンセリングをお願いすることにしました。
カウンセリングで少しずつ広がった食べられる物
カウンセリングは何回かに分けて次の内容を繰り返す形で行われました。
・スーパーに行き、挑戦できそうな食べ物リストをつくる。
・その中から少し食べたら用意したスタンプカードにシールを貼っていく。
・スタンプカードにシールがたまると、ご褒美がもらえる。
息子は少しずつですが、食べるものを増やしていきました。
現在は、チーズバーガー、唐揚げ、カレー、焼きそば、とり天、けんちん汁など、食べられるようになりました。
給食ではまだ、ご飯しか食べられない日もありますが、まれに完食したことがあります。
まとめ
軽度発達障害と診断された時は、これから
「どうなるんだろう?」
と風に吹き飛ばされる木の葉のような思いでした。
その後、色々なことを経験し、困った時は、
「何をどうやって楽しく取り組もう?」
という考え方が身につき、目的地を目指して飛ぶ鳥の気持ちになりました。
空気を読めないことは、よい面もあると学校の先生に言っていただいたので、個性として見守ることにしました。
これからも、子どもだけでなく親である私自身も一緒に成長していきたいです。